日本における出版物の普及や出版業界の発展に貢献している制度は「再販制度」と「委託制度」と呼ばれるもの。
今回はこの2つの制度について、簡単にまとめたのでぜひ読んでみてください。
簡単!出版業界を支える「再販制度」と「委託制度」について
この2つの制度は出版業界の基礎であり、業界に身を置くならば必ず必要な知識です。
だいたいセットみたいなものなので、一気にまとめました。
では、順番に見ていきます。
「再販制度」とは?
再販制度は、正式には「再販売価格維持制度」といいます。
内容を簡単に説明すると、出版社が定めた本の価格で書店が本を販売をする制度です。
たとえば、出版社がある本を500円で売ると決めたならば、書店は価格を上げたり下げたりできず、500円で売らなければいけないのです。
これにより、北海道から沖縄まで全国どこの書店に行っても“地域格差”がなく、同一価格で本を購入することができます。
また、定価が決まっているため、過度な安売りなどの“価格競争”もなくなりますね。
これが「再販制度」です。
「委託制度」とは?
委託制度は、「委託販売制度」ともいいます。
簡単に説明すると、書店は売れ残った本の“返品ができる”というシステムです。
これにより、書店側は本の仕入れリスクが少なく、様々な本を積極的に店頭に並べることができます。
これは書店にとってとても重要なことです。
なぜなら、本の独特な性質として代替が効かないというのがあるから。
書店は、この代替の効かなさを多種多様な本を店頭に並べるということでカバーしているのです。
なぜ「再販制度」と「委託制度」が必要なのか?
それは、読者が本などの出版物に対して“幅広い選択”ができるようになるからです。
「再販制度」と「委託制度」により、書店では安定した価格でたくさんの種類の出版物に触れることができます。
本との出会いの機会が増えるという意味で、この2つの制度は必要なのです。
終わりに
まとめます。
「再販制度」
出版社が定めた本の価格で書店が本を販売をする制度
「委託制度」
書店は売れ残った本の返品ができる制度